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天童の家(高断熱パッシブ住宅)

House in Tendo
  • 天童市
  • 2019年
  • 住宅/鞘堂/SOLIDO/高気密高断熱/Q1/ペレットストーブ/木製サッシ/外付けブラインド/パネルヒーター

天童市中心部の住宅街に計画した40坪ほどの住宅である。敷地は、ほぼ正方形に区割りされた住宅街の東南角地で、比較的人通りのある道路に面している。
そこで、住まい手のプライバシーに配慮し、外部に対し閉じた印象を与える効果を期待して、重みのある素材(実際に重量がある)SOLIDO typeM_LAP素地(セメント)を外壁全面に採用した。重いこと(印象)は建物の佇まいに落ち着きを与えると同時に、交通量の多いエリアにおいて遮音効果も期待できる。

家の中心に家族が集うダイニングを計画し、それをぐるりと取り囲むように、水まわりやユーティリティ、リビング、そして2階の個室を立体的に計画している。山形には大切なものを風雨から守る『鞘堂(さやどう)形式』という二重壁作りの蔵が残るが、この住宅は、現代版の鞘堂で、家族の中心であるダイニングを守るように生活空間が取り囲んでいる。
ダイニングと空間的に連続するリビングには、間口3間(5460㎜)の大開口と2階までつづく高さ5mの吹抜けを設けることで、水平方向だけでなく、鉛直方向にも広がりをもつ開放的なつくりとしている。(実際の鞘堂にも高さ方向の広がりがある)。
この大きな開放空間の快適性を担保するのは、基礎・壁・屋根のしっかりした断熱計画と現場の施工技術である。特に屋根断熱は厚み500㎜の高性能グラスウール吹付とすることで、雪国の厳しい環境においてもエアコン1台による全館空調を可能としている。

南面させたリビングには、冬場の日射取得を最大化するため、山形県内でオーダー製作された幅2.5m×2という長大な高性能木製サッシ(アルス夢まど)を採用している。さらに、軒下となる半屋外空間にリビングと床レベルが連続した奥行き1365㎜のデッキテラスを設けることで、中間期には大窓を開け放ち、アウターリビングとして生活空間を拡張することができる。このデッキテラス外部には、調光可能な外付けブラインドと、ヒイラギモクセイによる生垣を計画することで、環境性と共に住まい手のプライバシーの確保を両立している。

環境性能
Q値:0.91W/㎡K
UA値:0.31W/㎡K
ηA値:1.0
C値:0.57㎠/㎡(実測値)